リネンを初めて買った人が最初に感じるのは、「少し硬い」という感覚です。それは欠点ではありません。リネンの繊維は洗うたびに少しずつほぐれ、着るほどに体になじんでいきます。この記事では、リネンがなぜそういう素材なのかを、繊維の構造から説明します。
リネンの繊維構造と「硬さ」の正体 ¶
リネンはフラックス(亜麻)の茎から取り出した繊維で作られます。繊維の断面は多角形に近く、コットンの円形断面と比べて表面が平らです。この構造が、生地に独特のハリと光沢を与えます。新品のリネンが硬く感じるのは、繊維同士の結合がまだ強い状態だからです。洗濯と乾燥を繰り返すことで、この結合が少しずつ緩み、生地全体が柔らかくなっていきます。
海水塩洗いという工程について ¶
Fiação do Norteが行っている海水塩洗いは、製織後の生地を塩水に浸してから乾燥させる工程です。塩のミネラル成分が繊維の表面に作用し、通常の水洗いよりも早い段階で繊維をほぐす効果があります。また、塩水乾燥後に生地に残る微細なムラが、均一な機械加工では出せない表情を作ります。この工程はMiguel Ferreiraが20年前から続けており、工場の設備ではなく、屋外の大きな石の台の上で行われています。
家庭でのリネンの洗い方 ¶
リネンは洗濯機で洗えます。ただし、水温は30度以下、脱水は短めに設定してください。乾燥機は使わないほうが無難です。高温で繊維が縮む可能性があります。干すときは形を整えてから陰干しにすると、シワが少なく仕上がります。アイロンをかける場合は、少し湿った状態で中温がちょうどいいです。シワを完全に伸ばす必要はありません。リネンのシワは素材の一部です。
何年着られるか ¶
適切に扱えば、リネンは10年以上着られる素材です。コットンと比べて繊維が長く、引っ張りに強いため、縫い目が先に傷むことが多いです。縫い目のほつれは早めに直すと、生地本体はまだ十分に使えます。Lush Beach Hollowのコースタル リネン シャツは、縫製を静岡の工場に依頼しており、ステッチ幅3.5mmで縫い直しがしやすい仕様にしています。
リネンは最初から完成している素材ではありません。着て、洗って、時間をかけて自分のものになっていく素材です。今シーズンのコレクションでリネンのアイテムを試してみたい方は、今シーズンのコレクションをご覧ください。